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2015-10-03

roots

堀部 純司

不完全燃焼な2年と1ヶ月だった。



高校ではバスケットボール部だった。高校は部活動に入るのが普通だったし、中学からやっていたバスケをするのは自分にとって当然の流れだった。練習は辛いこともあったが、上級生になると試合にも出させてもらい、何よりバスケが好きだったので、楽しかった。

3年の春の引退試合。私立の強豪校とあたり、僕達のチームは敗れ去った。もちろん準備は万全で勝つつもりで挑んでいた。だが、終わってみると悔しさはあったものの、強豪校相手に善戦をしたこともあり、少しすっきりした気持ちでいた。



2014年春、東京大学に入学した。テント列でいくつか運動会の勧誘を受けた。PVを観たり、話を聞いたりするうちに、大学の部活に憧れを持った。同時に、高校時代の最後の試合に自分が満足出来ていないことに気づいた。心の底には勝てなくても仕方ないという弱い気持ちがあり、その想いが自分の2年1ヶ月を平然と正当化してしまっていたのだと気づいた。不完全燃焼だったのだ。

4月末にホッケー部に入部した。初心者なだけに、練習すればするほどうまくなれる。それが気持ちよくて決意した。今でも日々成長しているのを感じる。


気づけばホッケー中心に回る大学生活。微塵も予想しなかった。大半の人が考える理想の大学生活とは程遠いだろう。高校の同期と会うと、生きている世界が違うと感じることも多い。だが、自分の決断が間違っていたと想うことはない。この道は圧倒的に輝いて見える。

東京大学のホッケー部はその気になればいくらでもそこに力をそそぐことができる。極端なことを言えば授業に出なければ暇な時間は作れるし、オフだって空いてさえいればグラウンドが使える。勝てなくても仕方ないなんて想う必要がない。





選択肢は他にいくらでもあった。
その中で選んだこの道。
この3年と8ヶ月が人生で最後の青春。

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