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2015-09-24

這い上がれ

杉浦 武志

直近の一年間、俺はどん底に陥った。ホッケーだけではない。やることすべてがうまくいかず、虚無感に苦しみ、前向きになることができなくなっていた。

しばらくの間、ホッケーから離れたりもした。その間も部の仲間がどんどん成長していたのを、復帰したときに感じた。そのとき最初に思ったのは、悔しさとか奮起の気持ちとかではなく、自分がいなくてもホッケー部は大丈夫なんだ、俺は必要とされていないんだという、情けないような安心感だった。

何度もホッケーを辞めることを考えた。何度もホッケーのない人生について考えたりした。せっかくの大学生活を縛っているこのスポーツやこの団体から解放されたら、自分はどんな可能性があるんだろう。練習後、そのことについて想像するのは一回、二回どころではなかった。


そんなネガティブな気持ちが徐々に和らぎ始めたのは、数ヶ月前のことだった。
きっかけは後輩たちだった。

4月。ホッケー部に11人の新入生が仲間入りした。中学や高校でホッケー経験があり、さらに自己を高めたい人。大学で初めて出会うこのスポーツに勇気を持ってチャレンジする人。全員立場は異なるが、皆ホッケーに魅力を感じて入部した。
彼らは輝いていた。瞬く間に上達し、次々と新しいことを吸収していった。そして何より、ホッケーを楽しんでいた。うまくいったときに喜び、うまくいかなかったときにへこたれず次に切り替えている姿が、入部したてだった頃の自分と重なった。

ホッケーはやらされるものではなく、自らすすんでやるものだ。俺はホッケーが好きでこのチームに仲間入りし、ホッケーがうまくなりたくてここまで励んできた。

もう一度初心に帰ろう。今よりずっと下手くそだったけど、野心があって、がむしゃらに突っ走った、入部したての俺のように。


今年のスローガン、共鳴。自分は、そのための「個が立つ」部分ができていなかったように感じる。仲間の誰よりも遅いかもしれないが、もう一度個が立つよう尽力する。
個の成長のため、そして、チームの勝利のため、俺がチームにいい影響を与える。
俺がBullionsをより大きく共鳴させる。

これが、どん底から這い上がる俺の決意。

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