UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2021-10-02
胸を張って
松田 和真
リーグ戦の重みというものは、分かっていたつもりだった。
春の立教戦での敗戦、その時の無力感や悔しさ、どれも思い出したいものではないけれど、自分はどちらかというと日々の練習の合間、ふとした瞬間に思い出される事実に胸をかきむしるような思いをさせられる。
春の成績が2部3位で、それが変わることはないという事実だ。
OBさんの中には、練習試合の結果を聞いてくださる優しい方もいらっしゃる。しかし、ほとんどの方は、リーグ戦の戦績を見て、その年のBullionsについて評価をするのだと思う。実際に自分も、2018の1部6位などは今聞いても輝かしいなと思う。
こういったことを考えてしまうのは、
例えばOBさんが練習に来て下さったとき、「2部のたすき戦で負けたのか」とどこかで思っているのではないかと、勝手に推測してしまったり、
OB・OGの方々に届くメーリスに書いてある「二部3位」の文字が気持ち悪かったり、
パンフレットは大分後ろの方に載っているから見たくないし、
普段の練習で「一部昇格」という目標を口に出していることもあると思うが、毎回すべて飲み込んで認めることに苦労してしまう。
色々な感情はあるが、自分がホッケー部に入っている間のBullionsの戦績、最終学年としてのリーグ戦の戦績であること、そして極めつけは、春リーグを通して自分が不甲斐ないプレーで終わってしまったこと、それら全てが相まって、率直に恥ずかしいのだと思う。自分が4年間部活をするうえで、様々な形で助けてくれたり応援してくれている親に対しても、2部ベストイレブンに選ばれたことなど言えなかった。試合への準備やメンタル、フィジカルコンディションなど全てをひっくるめた自分のパフォーマンスがしょぼかったと認めたうえで、そのような賞を誇ることはできなかった。
しかし最近、ずっとつきまとってくるこの重石のような事実に、下を向いてばかりではいられないと思うようになった。同期に言われた「最近プレー中の顔が楽しそうじゃないよ」といったような言葉に妙に刺さるところがあったからだ。
実際に夏以降は、練習試合やBインカレを通して、チームとしては段々と勝ちを重ねていくことができた。幹部を中心とした課題設定や戦術の立案、練習設計、そして戦術の浸透によるところが大きいと思う。しかし自分自身も、課題は絞れてきたし、やりたいことも春より明確になったと思っている。あとは、持ち合わせた技術を100%(自分の場合は120%くらい出そうとしなければ強気のプレーができないが)出すしかない。
幹部による全体からのアプローチからは外れた個の部分。えぐりタッチを決めきる場面や、リバウンドで浮き球が来た場面、気づかないところでハーフが上げている場面。戦術によってチャンスの回数は増やせても、また練習によっていくら本番の場面を再現しても、勝敗を決する部分はその時の個人の力量にゆだねられているのだと思う。小さなルーズボールの競り合いやラインアウトなどの個人の勝ち負けの積み重ねで試合の流れが決まることもあると思う。プレスをもう一歩頑張れば、コースが限定され後ろが取りやすくなるかもしれない。集中しているからこそ出る一声で味方のピンチを回避させられるかもしれない。
ここまできたら、の話だが余計なことを考えずに今の自分にできることを胸を張ってやることがチームに一番貢献できる気の持ちようだと思う。
明日の学習院戦では、これら自分が個として果たせることをすべてやり尽くしたい。
そのうえで、どんな形でも点を取りきるという、一番の使命を果たしたい。
こんどこそ胸を張って今までお世話になったすべての人に顔を合わせられるように、
そして、胸を張ってゴールを喜ぶあの最高の瞬間のために、明日は絶対に勝ちにいきたいと思う。