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2015-11-06

理想と現実

小林 広師

インカレ二回戦、相手は天理大学。
僕はFWとして出場したが、相手DF陣の速いボール回しやスクープに翻弄され、振り回され続けた。最近の試合とは格の違うスピード感であり、プレーのたびに自分の走力、体力の無さを痛感した。
体力的には辛かったが、試合中僕の心は高揚感に満ちていた。完全なワンサイドゲームではなく東大のホッケーが通用している部分があったし、何よりチームメイトの懸命なプレーやコート外からの声援がチームへの追い風になっていた。そんな雰囲気の中でのホッケーは今までの公式戦以上に楽しく、気持ちのよいものだった。

しかし、目標としていたのはゴールを決めること。この目標に対して、またFWで出場した者として、0-8というスコアは重く受け止めなければならない事実である。
コートに立てるのはわずか11人であり、FWはさらに少ない。試合に出られない選手が多くいる中で、「代表として試合に出るには責任が伴う」なんてことは分かっていたような気でいたが、今になってそのことの重大さがのしかかってくる。

インカレも終わり、チームとして目指す最後の目標は一部昇格。来週からの3連戦は必ず勝たなければならない。どれだけ良い雰囲気を作っても、楽しくホッケーができたとしても、この目標が達成できなければ何も成し遂げていないのと同じことだ。
チーム全員が自分のできることを最大限やっている中、僕はコートに立つ一人のFWとしてやるべきことをやる。一つ一つのプレーの瞬間ミスを恐れず、逃げずに100%の力を出し切る。
インカレで果たせなかった責任を果たす。


入替戦の終了のホーンが鳴った瞬間、全員であの感動を味わいたい。歓喜に泣き笑うチームメイトの顔が見たい。
そんな理想を抱きつつ、目の前のワンプレーに全力で臨む。

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