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2015-10-20

描く

須賀 謙次

「君たちの未来は真っ白なキャンバスだ。」
将来の可能性の例えでよく使われる。でもなんでだろう。油絵を描くことがある人はそんなに多くない。画用紙の方が馴染み深い。

自分なりの答えは、何度でも上書きができること。水彩画、水墨画の一発勝負とは違う、面倒臭さがある。下書きから始まり、描いては乾かし、また描く。その繰り返しだ。違う絵を描きたいのなら白く塗りつぶし、また描き始めればいい。(お金があればあたらしいのを買えばいいのだが…)そんな層を重ねていくことが、人生の経験と結びついたのだと思う。


自分は、大学でホッケーをしている姿を絵の層に加えたくなり、今に至る。しかしまだ構図さえ決まらない。完成するかもわからない。それでも思いだけは変わらない。

今はただスケッチブックを満たすことだけに専念しよう。この一枚を誇れるものにするために……



そんな感傷に浸りながら、今日も球をかく。

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