UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2015-09-30
当たり前を当たり前に
佐藤 寛也
今の僕はとても中途半端な選手だ。部内の皆には多くの場合その人を表す代名詞がある。しかし、これといった武器・特技を持っていない(つくることができていない)僕はなんとも形容しがたい、パッとしないプレーヤーになってしまった。
思えば一年生の頃、僕は誰々のような選手になりたいというより、自分らしい選手像を作り出したいと考えていた。今振り返るととんだ野望だなと思う。今の僕はその頃の理想とは程遠い姿である。
先輩・同期から頼られる存在でもなく、後輩の模範となる存在でもない。
自分に特徴がないことはBullions2015が始動するときには分かっていた。なぜなら僕は無難に様々なことができるという評価を色々な方からいただいていたからだ。その時、僕は早く何か強みを身につけないといけないなと思った。しかし、思っていただけで十分に行動に結びつけてこなかった。一応ストローク力と視野の広さを武器にボールをうまく展開し、さばける選手になろうと決めた。けれど今の僕はそんなレベルには達していない。
時間はどんどん過ぎていった。秋リーグはもうすでに開幕してしまった。一体僕は今のチームのために何ができるのだろう。
正直、残り二か月で部内最強の特技を身につけることは不可能だ。勿論努力は怠るべきではない。しかし、現実的にそんなことは達成できないだろう。
では自分にできることは何か。どうやったらチームメイトと共鳴できるのか。
それは、僕の場合、当たり前のことを当たり前のようにできるようになること。そのような気がする。
当たり前のことを当たり前にやる。簡単そうで難しい。ドリブル、ストローク、ディフェンス、状況判断、コミュニケーション。一つ一つホッケーで求められている当たり前のことを当たり前にこなす。それも、代表で求められている当たり前のレベルで。実際、まだ僕にとってこうした当たり前は当たり前になっていない。ミスはしょっちゅうするし、頭をフル活用してプレーできていないし、何より基礎技術はまだまだ改善の余地がある。
当たり前を当たり前にできれば今より相当良くなれる。チームの誰とであっても共鳴できる。
僕はBullions2015のためにもっともっと貢献したい、しなければいけない。そのために日々の努力を、一つ一つのプレーを大切にしよう。
そして、来年の僕はどんな選手になっているか分からないが、胸を張って誇れる何かがあるようにしたい。自分の可能性をもっと信じて、仲間を信じてやっていきたい。