UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2020-10-16
アクション
矢野 琢也
FWは中盤、ディフェンスからボールを引き出すアクションが重要である。このアクションというのは体力も削るし、頭も使う。でもアクションの数だけFWにボールが届く確率が上がってチームのチャンスが増える。
自分は普段このアクションを取るのが苦手だ。FWとしてもあまり得意な方ではないが、チームを作る上ではさらに得意ではない。
頭でこういうことをしたらいいとああだこうだ考えるものの、実際のアクションができない。何かと言い訳を作って怠けてしまう。例えば、育成担当でありながら、後輩の試合の反省シートにアドバイスを書こうと頭で思っていても、今日は部活で疲れたから、今日は自炊して時間ないから、今日はラボで実験いっぱいしたから、、
言い訳の達人である。
これまで自分のアクションをきっかけを作ってきたのは悔しさだった。試合に出れなかった悔しさ、後輩にプレイで怒鳴られる不甲斐なさや悔しさ、FWの序列が入れ替わって抜かれた時の悔しさ。部活ではこんなあたりが思い浮かぶが、多分これまでの人生で本当に頑張ったのは悔しい思いをしたときが多かった気がする。
大学で部活動に入ることを決めたきっかけも、高校の部活で中途半端に終わってしまい、もっとできることがあったという悔しさがあったからである。
さて、言い訳の達人で、悔しさがないとアクションを取ることができない自分が引退を約1ヶ月後に控えた状態で今思うことが3つある。
一つは後悔で終わりたくないということである。もっと練習で挑戦しとけばよかった、もっといろんなビデオ見ておけばよかった、プライベートの時間を取りすぎたなとか。でも、この後悔で終わりたくないという恐れの気持ちが自分のアクションにつながるかはわからない。
二つ目はプレイで違いを生み出せる選手になれなかったなということである。4年間ずっと、1週間に5日も捧げてきた部活なのに。これは悔しさである。この悔しさは自分のアクションにつながる。
三つ目は育成担当としての責任が今現在果たせていないことである。自分が育成にいた時に感じた様々な悔しさがあるが、練習環境が良くなかったり、プレイヤーとしての妥当な評価がなされていないというような悔しさは感じさせたくないと思い、育成担当になった。でも、現在の育成担当としての自分はこれまでの育成担当に及んでいないと感じる。練習メニューや練習環境などで不満に感じている人もいるかもしれない。これは不甲斐なさである。この不甲斐なさはアクションにつながる。
自分のアクションなんかなくたって、チームはなんだかんだできていくし、時間は過ぎていく。でもこのアクションでチームのチャンスが増えるんだ。そう思って、苦手なアクションに取り組んでいく。これまでFWでひたすらアクションの練習をしてきた僕ならきっとできるはずだ。