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2015-11-10

「大を成す」、その瞬間を。

土倉 愛生

中高時代、私は演劇部に所属していた。その当時、よく聞かれていた質問がある。
「どうして演劇部に入ったの?」
他人がそういう疑問を持つのは至極当然なことだ。なぜなら私は自ら進んで舞台に立たないことを選んでいたから。
演劇部にはほぼ全員が舞台に立って観客の喝采を浴びることを目標に入部してくる。そんな中で、5年間裏方で居続けた私は相当異質な存在であった。

では、冒頭の質問に戻って、なぜ演劇部に入ったのか。
それは、もともと縁の下の力持ち的な存在として、表舞台で輝く仲間を見ることが好きだったから。
そしてもう一つ、みんながそれぞれの力を結集させて一つのものを作りあげたとき、一つのことを成し遂げたときの興奮や達成感が大好きだから。
演劇部では、この両方を味わうことができたから。

大学に入って、中高の先輩であり、今はマネージャーの先輩である和里さんを通してBULLIONSと出会った。
一人ひとりの主体性を尊重しつつ、全員がチームとして掲げる目標を見据えて、各々ができることに一生懸命取り組んでいるBULLIONSにマネージャーとして参加することは、私の「好き」を2つとも味わう理想形だった。
私は「ここしかない」と思ってすぐに入部を決め、それから1年半、自分なりにチームに貢献するため、自分にできること、やりたいことを一歩ずつではあるが取り組み始めている。
みんなもきっと一緒。自分の持てる力を少しずつでも結集させ始めているはず。「個が立ち、響き合い」始めているはず。
しかしまだ、私の「好き」は味わえていない。それを味わうには、チームの目標達成が必要不可欠だから。

一部昇格を果たしたときの、部員全員の輝くような笑顔を見たい。
チームの悲願を叶えたときの、興奮と達成感を全員で分かち合いたい。
その一心で、私は縁の下の力持ちとしての役割を果たす。
最後の最後まで頑張り抜いた先にある、「大を成す」、その瞬間を夢見ながら。

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